2022/5/3 15:01PM

第36回天文教育研究会 第2報(天文教育3月号掲載)

『天文教育』2022年3月号に掲載された年会の第2報を以下に掲載いたします。
ご参加に向けてご予定をお立ていただけたら幸いです。

 

第36回天文教育研究会
2022年日本天文教育普及研究会年会~第2報 

年会実行委員長:野上大作(京都大学)

日時:2022年8月17日(水)午後~19日(金)午後3時までを予定
会場:基本はオンライン方式(Zoom)を予定。
ハイブリッド形式が可能な場合、会場はキャンパスプラザ京都を検討しています。
申し込み方法等、詳細は第3報以降で順次お知らせする予定です。

テーマ:「天文を魅する・天文に魅する」
サブテーマ:「realとvirtualの再発見」

天文教育普及に係る状況は目まぐるしく変化しています。
今まで天文・宇宙に縁の無かった活動が、今や天文・宇宙をキーワードの一つに取り入れ、
より広く深い進化を遂げた天文教育・普及活動が日本全国で、いや世界各地で展開しています。
社会教育においては、地域資源としての天文・宇宙が注目され、取り組みの集約や組織化が浸透
しています。学校教育においても、総合的な学習・教科横断的な学習の一つとして宇宙分野が
取り入れられています。また、学術や実践の場においても、アストロツーリズムが注目を集めて
います。
天文・宇宙の側からみても、様々な連携が模索されています。各地の大学、あるいは天文台は
地域と連携した取り組みを行っており、教育研修やリカレント教育の場として、科学館やプラネ
タリウムでも従来の展示・プログラムに加え地域性や文化性、あるいは高名なアーティストや俳優の
参加などを取り入れ、新たな来場者層の獲得を目指しています。天文・宇宙に関する活動の内部に
おいても、様々なグループや個人が連携を行い、情報交換をしながら、より広範な活動をしています。
まさに「天文を魅する・天文に魅する」場面があちらこちらに花開いているのです。
一方、近年の傾向として、デジタル技術による体感を重視するコンテンツが増加しています。
オンライン配信における電視観望やVRを利用したプログラムなどはその好例です。こういった
“real”と”virtual”の連携は、「デジタルツイン」の考えとともにより広範に波及していくことが
予想されます。しかしよく考えてみますと、そもそもプラネタリウムという形態そのものが
“virtual”を追求してきたものです。また、望遠鏡という存在自体が、その場にいながら遠くを
追体験しようとしてできたものといえるでしょう。天文教育普及の現場では最新でありながらも、
いわば原点回帰ともいえる動きが進み、歴史的文脈も踏まえた「realとvirtualの再発見」が
なされようとしています。
この好機をとらえ、今一度天文・宇宙に関する様々な連携の現状を振り返り、今後の展望を
一緒に探ってみませんか。以上のような趣旨で2022年の年会を実施いたします。