2022年新年のメッセージ

2022年 Re:STARTの年

新春の候、皆様方におかれましては、御健勝のことと、謹んでお慶び申し上げます。新型コロナウイルスの猛威により行動が大きく制限されたこの2年間でした。そんな中ですが多くの皆様が日本各地、そしてオンラインで天文教育や天文・宇宙に関する様々な活動に積極的に企画され、多くの皆様が参加されました。不自由な中ですが、多くの方々が天文・宇宙をキーワードに科学を楽しまれたのではないでしょうか。

本会におきましては、5月と11月の月食では、岸本会員の提案で共同観測会が行われ、海外とのコラボレーションも実現し、得られた良質な観測画像によって生徒の探求活動に役立てられました。また、年会も2年連続のオンライン開催となり、昨年の経験を踏まえながらも、例年通りとはいかない困難の中を実行委員会の皆さん、参加者の皆さんが乗り越えてくださり、結果、多くの発表に恵まれ非常に活発なものとなりました。そして、オンライン支部会、茶話会も例年のように積極的に企画され、地理的制約から解放された利点を活かしてこちらにも多くの方にご参加いただきました。ワーキンググループの活動も活発に行われました。MitakaワーキンググループによるMitakaワークショップ若手天文教育普及ワーキンググループによる講演会、研修会、さらに若手ワーキンググループ天文教育論文アーカイブ検討ワーキンググループが共同して縣代議員を中心とした三鷹科学教育サイエンスコミュニケーションゼミも毎週の様に会合を重ねています。様々な活動の成果が結実する日を楽しみに待ちたいと思います。また、会長が会員の皆さんとお話をさせていただくオフィスアワーも昨年は3回行うことができました。

昨年始まった新しい事業として、若手奨励賞の新設があります。天文教育、天文普及の分野で精力的に活動されている若手の会員を表彰する賞です。本年度中に提案から制度化までとてもスムースに行われ、選考委員会の組織、賞への公募、選考も極めて迅速に適切に行われました。
表彰された2名の方々には大きな拍手と今後の活躍をお祈り申し上げるとともに、選考委員会の皆様、関係の皆様に敬意を表し感謝を申し上げます。若手奨励賞は本年も引き続き公募されますので、条件を満たす会員の皆様の積極的な応募をお待ちしています。

また、新しい委員会、学術論文委員会の設置が決定しました。この新委員会は、編集委員会の内部組織の性質が強かった論文の査読業務を始め、天文教育論文アーカイブ検討ワーキンググループが行っていた天文教育論文サーベイやデータベース化、さらに課題となっているオープンリポジトリへの登録業務などを担当します。本会の会誌「天文教育」は会員の活動を気軽に報告する場としての機能を保ちながら、学術論文誌としてもより価値のあるものにしていきたいと考えています。

コロナ禍に翻弄され、手探りで工夫しながら様々な活動を行ってきました。今年は、この経験を活かし対面の活動の再会も期待したいと思います。心置きなくいろいろなアイデアを出し合って興味深い活動ができるよう、そのような活動のプラットホームとなる会を目指していきます。2022年、多様な活動の再スタートの年となることを願っています。

2022年1月1日
松本 直記 (日本天文教育普及研究会 会長)