2018年を迎えて -祝・成人-
縣 秀彦(天文教育普及研究会・会長)
当会、天文教育普及研究会は、1989年夏に北軽井沢・駿台学園「一心荘」にて開催された第3回天文教育研究会において、名称及びその設立が決議されました。それ以降、28年以上に渡って、学校教育・社会教育・一般普及など、全国各地で会員各位が教育・普及の多彩な取り組みを続けてきました。本会も年6回の会誌「天文教育」発行や、年1回の年会運営をはじめ、年間を通じて各分野や各支部または各ワーキング・グループなどが様々な活動を積み重ねてきました。この間、当会は任意団体(人格のない社団)でした。
昨年8月に京都・西本願寺で開催された第31回天文教育研究会・2017年天文教育普及研究会年会の際に開催された当会総会における賛成255票、反対8票という採決結果に基づき、当会は法人化することを確定しました。
この数年間、当会においては、運営委員会中心に法人化に向けての議論が重ねられると共に、法人化検討委員会、法人化準備委員会、そして法人化実行委員会が具体的な定款案や細則・内規案、法人化への移行方法やスケジュール等を弁護士と税理士からの助言を踏まえて検討し、実務を遂行して参りました。
総会後の定例運営委員会と2回の臨時運営委員会を経て、熟慮を重ねて修正され最終定款案が完成しました。そして、法人設立時社員4名が昨年12月13日に、武蔵野公証役場にこの定款を提出し認証を受けました。さらに、12月20日に東京法務局武蔵野支局に定款を提出し、この日が新法人「一般社団法人 日本天文教育普及研究会」設立日となりました。このように、法人登記作業が無事、終了したことを、法人化実行委員長としてここにご報告いたします。
1987年第1回天文教育研究会からお世話をさせていただき、89年の当会創設時には磯部しゅう(王へんに秀)三初代会長を補佐する副会長だった私は、法務局で登記を済ませ、「ようやくこれで大人になった」と率直に思いました。ヒトに比べると成長はゆっくりでしたが、当会も無事に成人を迎えたと言ってよいのではないでしょうか?
成人とは、個人として法律行為が行える年齢になることであり、大人としての義務と権利が生じるまでに成長したということでしょう。当会が法人化することで、さまざまな社会的権利が発生すると同時に、社会に対して義務も果していく必要があります。
本会の法人化に尽力された方々や多くの会員が、その責任の重みを口にされています。恐れる必要はありません。どうか、ご自身が成人を迎えられた時のことを思い起こしてみてください。成人になった際の不安や緊張は、必ずや社会における自覚ある社団として、当会の活動の幅を広げ、日本における天文教育・天文普及を発展させ、深化させる力となることでしょう。そして、一人ではなく700名近い会員が共に協力し合って歩んでいく道なのです。
新法人がまず取り組むことは会長候補者、監事候補者、代議員の選出です。ぜひ、ご自身のことと会員各位が受け止めて、積極的な発言や提案、立候補をお願いします。また、6月末で当会(法人化前の団体)の実質的な活動はほぼ終了し、8月5~7日に神奈川県・慶應義塾大学日吉キャンパスにて開催予定の第32回天文教育研究会にて新法人に引き継がれます。この機に新たな会員の増加も含め、当会が大きく発展することを願っています。