既報の通り、2019年度の東北支部研究会を、11月2〜3日、福島県会津若松市の会津大学で開催いたします。
会のプログラム、会場の詳細が決定しましたので、第3報としてお知らせいたします。
○今回の支部研究会の特徴
今回の支部会は特別講演を2つご用意しました。
1つは、本学(会津大学)にて「はやぶさ2」計画に携わり、この4月に設立された宇宙情報科学研究センター長も務める出村裕英先生による、「はやぶさ2」に関する講演です。すでに探査機自身は現地での探査計画をほぼ終了し、帰還の日が迫ってきていますが、講演ではこの「はやぶさ2」ミッション全体やその特徴、会津大学や福島との関わりについてご講演いただく予定です。
もうお1人は、国立天文台水沢の田崎文得さんです。今年話題になった「ブラックホールの可視化」に貢献したEHT(イベント・ホライズン・テレスコープ)のメンバーでもあり、この世紀の大発見についてのお話が伺えるのではないでしょうか。
今回はこのようなお2人を特別講演として招くこともあり、全体テーマとして
「天文学・惑星科学の最前線東北から教育・普及の鍵を探る」
と設定しました。広い東北には天文・宇宙開発・惑星科学など多くの分野に挑んでいる大学・研究機関があります。そういった幅広い方向性から、東北ならではの天文教育・普及の道が探れるのではないか。そのような思いでテーマを名付けております。
なお、発表を申し込まれる際、このテーマの中でなければならない、ということはありません。皆様の活動内容をどしどし発表して下さい。そのことがまさに東北ならではの天文教育・普及の道を広げることにつながると思います。
○会場
会場は私(支部長=寺薗)が勤務する会津大学です。1993年に開学して以来、コンピュータ・サイエンスに特化した大学として独自の地位を築き、近年では文部科学省の「スーパーグローバル大学」に選出され、大学ランキングで上位に位置するようになるなど、小さいながらも全国から注目を集めています。
昔から会津地域は教育が盛んで、会津藩は藩校日新館を持ち、そこでは全国でも珍しい藩校の天文台がありました。現在、日新館の天文台あとは江戸時代の天文台の以降の中で唯一現在まで残っているもので、日本天文遺産にも認定されています。
長い歴史をもつ会津に誕生した最先端の大学で、天文教育・普及について大いに議論しましょう。
○懇親会(情報交換会)
懇親会(情報交換会)は、2日夜、会津若松の居酒屋「籠太」(かごた)にて行います。
籠太は私(支部長=寺薗)の行きつけの飲み屋さんでもありますが、会津若松でも一、二を争う名店であり、実は全国でも屈指の知名度を誇る居酒屋さんでもあります。絶品の会津の地元料理、大将の腕が生かされた日本、そして世界の料理、そしてなんといっても、7年連続で全国日本酒鑑評会で金賞を受賞している福島のお酒(その中でも会津のお酒が受賞作の大多数を占めています)を楽しみながら、天文教育・普及の話に花を咲かせて下さい。
※懇親会(情報交換会)は会費制です。現在5,000円を考えております。
○参加お申込み
講演、懇親会については参加申込を締め切りました。
当日ですがお席には余裕がございますので、「飛び入り」でのご参加も歓迎いたします。
11月2〜3日は、会津若松周辺は紅葉が美しい季節です。そのため、宿泊施設などの混雑も予想されます。
すでにかなりの宿が埋まってしまっております。郡山に宿泊しての往復や近隣温泉(東山温泉、芦ノ牧温泉)への宿泊もご検討下さい。
○その他
・会場内では無線LAN(Wi-Fi)が使用可能です。SSID及びパスワードは当日会場内に掲示します。
・当日は支部会のインターネット中継を予定しております。詳細なURLなどにつきましては近日中にお知らせできる予定です。
・初日夕方に、東北支部に関する意見交換の時間を設けております。当日お越しになれない方は、事前に寺薗、あるいは天教・天教東北支部のメーリングリストなどで、ご意見をいただけばと思います。
○お問い合わせ
支部長(寺薗) terazono@u-aizu.ac.jp までお問い合わせ下さい。
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○会合名 2019年度 日本天文教育普及研究会 東北支部研究会
○日時 2019年11月2日(土) 午後1時~2019年11月3日(日) 午後0時30分
○場所 会津大学 講義棟 M7中講義室
※会津大学へのアクセスについては、会津大学のホームページ をご参照下さい。
※会津若松駅から会津大学までは歩いて30分ほどとかなりかかります。バスの便もありますが1時間1本以下と非常に少なく、休日はさらに減ります。タクシーなどのご利用をおすすめいたします。
※学内における講義棟の位置は同じく会津大学のホームページにあるキャンパスマップ をご参照下さい。M7中講義室は講義棟北東端にあります。天気がよければ磐梯山を望めるかも知れません。
※自家用車でお越しの場合は、講義棟西側の駐車場をご利用下さい。
○プログラム
【11月2日(土)午後】 座長:荒木田
12:30 ~ :受付開始
13:30 ~ 13:40:開会挨拶・事務連絡
13:40 ~ 14:00:参加者自己紹介
14:00 ~ 14:20:寺薗 淳也(発表15分+質疑5分)
会津における天文普及 ~会津そらの会と日新館天文台跡~
14:20 ~ 14:40:亀谷 收(発表15分+質疑5分)
国立天文台水沢での創立120周年の取組み
14:40 ~ 15:00:佐藤 昌也(発表15分+質疑5分)
電波を用いた流星の観測(流星電波観測)の紹介
15:00 ~ 15:30:休憩
<招待講演1>
15:30 ~ 16:30:出村 裕英(発表50分+質疑10分)
はやぶさ2と会津大学
16:30 ~ 17:00:東北支部に関する意見交換
18:30 ~ :情報交換会(居酒屋「籠太」)
【11月3日(日)午前】 座長:寺薗
<招待講演2>
10:00 ~ 11:00:田崎 文得(発表50分+質疑10分)
EHTプロジェクトによるブラックホール撮影 〜成果発表までとその後の反響~
11:00 ~ 11:30:休憩
11:30 ~ 11:50:荒木田 英禎(発表15分+質疑5分)
日本大学工学部における天文教育の実践に向けた展望と課題
11:50 ~ 12:10:伊藤 芳春(発表15分+質疑5分)
式辞,あいさつによる天文教育
12:10 ~ 12:20:まとめ・総括
12:20 ~ 12:30:事務連絡・閉会挨拶
○講演要旨
【口頭発表】 寺薗 淳也
会津における天文普及 ~会津そらの会と日新館天文台跡~
会津若松には、会津大学以外にも天文にまつわる活動が活発に行われている。2011年に発足した「会津そらの会」は、観望会などを通した天文普及を熱心に行っている。また、会津若松市には会津藩校日新館の天文台跡があり、このほど第1回の日本天文遺産にも認定された。これら、会津地域における天文普及の試みについてまとめる。
【口頭発表】 亀谷 收
国立天文台水沢での創立120周年の取組み
国立天文台水沢VLBI観測所は、今年2019年が臨時緯度観測所創立から120周年になる。今年の12月14日(土)に記念式典、15日(日)にZホールで市民講演会の準備を進めている。去る8月24日の特別公開としていわて銀河フェスタ2019を実施するに当たって、これまで屋根を空けられなかった眼視天頂儀室の屋根を空けるられるようにして、内部を一般公開した。それ以外の公開の試みも含めてについて紹介する。
【口頭発表】 佐藤 昌也
電波を用いた流星の観測(流星電波観測)の紹介
遠方からの電波を用いて流星を観測する手法を流星電波観測という。発表者は、航空機に位置情報を提供する電波(VOR:VHF Omni directional Range)、PCで動く安価なUSBタイプの受信機(SDR:Software Defined Radio)、使われなくなったVHFテレビアンテナを用いて流星電波観測を行っている。本発表では観測システム構築の苦労や今後の展望などについて紹介する。
【招待講演1】 出村 裕英
はやぶさ2と会津大学
はやぶさ2と会津大学について
【招待講演2】 田崎 文得
EHTプロジェクトによるブラックホール撮影 〜成果発表までとその後の反響~
2019年4月10日にEHT最初の成果として、M87巨大ブラックホールを撮影した成果を発表しました。人類史上初のブラックホール画像は瞬く間に世界中を駆け巡り、天文学・物理学の研究者だけでなく一般の人々にも広く認識されました。本講演では、成果発表までのプロセスを簡単に紹介するとともに、主に日本での発表後の反響について述べます。
【口頭発表】 荒木田 英禎
日本大学工学部における天文教育の実践に向けた展望と課題
令和元年6月18日に田崎文得 氏(国立天文台 特任研究員,日本大学工学部 非常勤講師)を講師にお招きして,日本大学工学部で特別講演会が開催されました.本学部学生・教職員を始め,日大東北高校,一般の来場者を含め,200名を越える来場があり,盛況のうちに終了することができました.本学部では天文系の講義が開講されていないにも関わらず,多くの学生の参加があったことは,ブラックホールに代表される天文系へ興味が潜在的に高いことをあらわしていると考えられます.本講演では,講演会の様子を紹介し,今後,本学部で天文系の内容を扱うための方法や高大連携についての展望と課題について議論します.
【口頭発表】 伊藤 芳春
式辞,あいさつによる天文教育
高校の教師になり,初任校には15cm屈折望遠鏡を備えた天体観測ドーム,地学実験室,準備室があり天文教育に邁進しました。転勤などにより授業が少なくなったりするものの,生徒のみならず保護者への各種挨拶による天文教育の可能性考えてみました。
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