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惑星 HD 209458 b の解説

初めて発見されたトランジット惑星

主星名
(カタログ名)
惑星名
(記号表記)
惑星の質量
(木星質量)
惑星の質量
(地球質量)
公転周期(日) 軌道長半径
(天文単位)
発見(年) 星座名 星座名の意味 可視性 V等級
HD 209458b HD 209458 b 0.71 226.9 3.52 0.04747 1999 Pegasus
ペガスス
The Winged Horse Visible through binoculars 7.7

HD 209458 b
 ペガスス座のHD 209458を公転するこの惑星は、2000年に当時ハーバード大学の大学院生だったデイヴィッド・シャルボノー氏らによって発見された最初のトランジット惑星です。

 トランジット惑星とは惑星が主星の前を通過するような軌道を持つ惑星で、惑星の半径・質量・密度などの惑星の基本的な性質を調べられる他、惑星の大気組成や主星の自転の向きに対する惑星の公転軌道の向きも調べることができる科学的にとても重要な系外惑星です。

 HD 209458 bは公転周期が約3.5日のホットジュピターで、2000年に発見された直後に惑星が主星の自転の向きと同じ向きに公転している(順行している)ことも発見されました。また、2002年にはハッブル宇宙望遠鏡の観測によって初めて系外惑星の大気成分(ナトリウム)が検出され、2003年には惑星から水素大気が漏れだしていることも発見されました。

 このようにHD 209458 bは、トランジット法による系外惑星のさまざまな研究を開拓するきっかけを与えてくれた重要な惑星です。

 なお、この惑星には「オシリス」という非公式の名前がつけられていて、wikipediaなどでも紹介されています。しかし、これは2003年に惑星から水素大気が漏れだしていることを発見したチーム(シャルボノー氏とは別のチーム)の人が提案したもので、現段階ではあくまで非公式の名前です。

文責:成田憲保(国立天文台)

HD209458bから水素大気が漏れだしている様子の想像図。
(クレジット:NASA/ESA/CNRS/Alfred Vidal-Madjar)


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日本天文協議会 IAU太陽系外惑星系命名支援WG

天文教育普及研究会 太陽系外惑星命名支援WG