2022/6/25 16:17PM

第36回天文教育研究会(2022年年会) テーマ:「天文を魅する・天文に魅する」

第36回天文教育研究会(2022年年会) テーマ:「天文を魅する・天文に魅する」
(2022/8/17-19,ハイブリッド形式)

最新情報(プログラム)は第4報をご確認ください。

<趣旨>
天文教育普及に係る状況は目まぐるしく変化しています。
今まで天文・宇宙に縁の無かった活動が、今や天文・宇宙をキーワードの一つに取り入れ、より広く深い進化を遂げた天文教育・普及活動が日本全国で、いや世界各地で展開しています。社会教育においては、地域資源としての天文・宇宙が注目され、取り組みの集約や組織化が浸透しています。学校教育においても、総合的な学習・教科横断的な学習の一つとして宇宙分野が取り入れられています。また、学術や実践の場においても、アストロツーリズムが注目を集めています。
天文・宇宙の側からみても、様々な連携が模索されています。各地の大学、あるいは天文台は地域と連携した取り組みを行っており、教員研修やリカレント教育の場として、科学館やプラネタリウムでも従来の展示・プログラムに加え地域性や文化性、あるいは高名なアーティストや俳優の参加などを取り入れ、新たな来場者層の獲得を目指しています。天文・宇宙に関する活動の内部においても、様々なグループや個人が連携を行い、情報交換をしながら、より広範な活動をしています。まさに「天文を魅する・天文に魅する」場面が、あちらこちらに花開いているのです。
一方、近年の傾向として、デジタル技術による体感を重視するコンテンツが増加しています。オンライン配信における電視観望やVRを利用したプログラムなどはその好例です。こういった“real”と“virtual”の連携は、「デジタルツイン」の考えとともにより広範に波及していくことが予想されます。しかしよく考えてみますと、そもそもプラネタリウムという形態そのものが“virtual”を追求してきたものです。また、望遠鏡という存在自体が、その場にいながら遠くを追体験しようとしてできたものと言えるでしょう。天文教育普及の現場では最新でありながらも、いわば原点回帰ともいえる動きが進み、歴史的文脈も踏まえた「realとvirtualの再発見」がなされようとしています。
この好機をとらえ、今一度天文・宇宙に関する様々な連携の現状を振り返り、今後の展望を一緒に探ってみませんか。以上のような趣旨で2022年の年会を実施いたします。
もちろん、これらのテーマに関わらず、広く天文教育普及に関する発表を受け付けて参ります。

多くの皆様のご参加をお待ちいたしております。

<開催概要>
メインテーマ「天文を魅する・天文に魅する」
サブテーマ「realとvirtualの再発見」
日時:2021年8月17日(水)13時~8月19日(金)15時頃(予定)
8月17(水) 招待講演1、一般発表、代議員総会
8月18(木) テーマセッション1(招待講演2・3含む)、一般発表、会員全体集会
8月19(金) テーマセッション2(招待講演4含む)、一般発表、まとめ

<招待講演>
1.講師:橘省吾(東京大学・JAXA)
タイトル:小惑星リュウグウの石の声
要旨:探査機「はやぶさ2」は近地球C型小惑星リュウグウを探査し,表面二地点でのサンプル採取に成功し,2020年12月に石や砂のサンプルを持ち帰りました.二回の着地で採取された総量5gを超えるサンプルは月以遠の天体から持ち帰られた試料として世界最大量です.これらのサンプルには太陽系の起源や進化,地球の海や生命の材料の起源についての情報が今も残っていることが期待されています.講演では,なぜ「はやぶさ2」は小惑星リュウグウをめざしたのか,リュウグウでなにを見たのか,持ち帰られたサンプルはどのようなものだったのか,どんな分析がおこなわれたのか,リュウグウの石は太陽系・地球・海・生命の起源や進化についてなにを語ったのかについてお話ししようと思います.

2.講師:尾久土正己(和歌山大学)
タイトル:観光からみた天文~realとvirtualの逆転
要旨:今、「美しい星空や天体を見上げるために居住地を離れる諸活動」であるAstrotourismが新しい観光のカテゴリとして定着しつつある。これまでのアマチュアによる天文普及や、プラネタリウムや公開天文台による天文教育に代わって、山間部や離島の暗く美しい星空(dark sky)のもとで行われる観光ツアーが注目されている。また、多くの恒星を投影するプラネタリウムの登場や、Instagramに共有される色鮮やかな星景写真、さらにはアニメの背景に使われる天の川の映像によって、市民にとって「映像としての星空」が原風景になりつつある。このように、realとvirtualがその境を曖昧にして融合しつつある現代の天文教育の場について観光学の立場から論じたい。

3.講師:はやのん(理系漫画制作室)
タイトル:
理系漫画制作室-天文教育・普及活動20年を振り返る-そして新しい出会いへ要旨:学部は物理学・大学院は英語教育学・プロ漫画家30年・現在は研究広報業の「はやのん」による講演です。最初の10分は大急ぎで過去20年の研究紹介漫画と図説の過去作品を実践例として振り返り紹介します。子供の科学、天文ガイド、名古屋大学STEL、東北大学頭脳循環/もし天、NASA、螢雪時代、天文/宇宙物理学分野書籍多数。次の10分で天文教育・普及分野での漫画活用を(1)研究そのものを紹介する
(2)組織・人・モノ・イベントなどを紹介する
(3)物語やパフォーマンスで楽しそうおもしろそうと思わせて興味を感じさせる
という3つの方法に分けて提案します。最後の10分で事前に寄せられた質問・相談に回答します。ご自身の研究・活動を絵や漫画で説明したい・広めたいけどどうしたら良いか?と思う方はメールください。
info@hayanon.jp
制作購入の勧誘ではなく他の作家による表現なども含め幅広い方法を提案します。

4.講師:齊藤昭則(京都大学)
タイトル:デジタル立体地球儀「ダジック・アース」を使った地球惑星天文教育
要旨:デジタル立体地球儀「ダジック・アース」は球形スクリーンとPCプロジェクターを使って、地球・惑星などの立体表示を行うプロジェクトである。京都大学などによる連携によってソフトウェアなどの開発を進めており、教育・科学目的には無償で利用可能である。日本未来科学館の「ジオ・コスモス」などの同様のシステムに比べて、学校や科学イベントなどで簡単に実施できることが特徴となっている。立体表示により宇宙から地球・惑星を見下ろす擬似的な体験ができ、それによって、地球・惑星に関するデータを、実際に地球・惑星で起こっているという実感を持ってもらうことが、地球惑星天文そして環境に関わる教育として重要と考えている。講演ではその仕組み、コンテンツ、利用例などの紹介を行う。

<会場>
キャンパスプラザ京都+Zoom(ハイブリッド開催)
https://www.consortium.or.jp/about-cp-kyoto
会場の収容数は289名ですが、コロナ禍ですので密を避けるため、この半数を定員とします。招待講演者と実行委員・学生アルバイト・執行部を除くと、現地参加は各日おおむね100名の定員(先着順)とさせていただきます。ただし、今後のコロナ禍の改善状況によっては、完全オンラインに移行する可能性があることをご了解いただいたうえでお申込みください。

<日程>
申込開始 5月25日(水)
口頭発表申込締切 6月24日(金)→6月27日(月)正午に延長しました!
口頭発表可否の通知 7月8日(金)
ポスター発表申込締切 7月22日(金)
参加のみ申込締切 8月10日(水)
電子ファイル送付締切 8月5日(金)
※現時点での予定ですので、変更となる場合もございます。

<発表・参加申し込み>
https://tenkyo-2022nenkai.peatix.com/
申込時に、名前・所属・連絡先・天教(学生)会員/非会員などの個人に関する情報と、参加費の支払いのための情報以外に、
・集録(印刷版)を希望するか否か(希望する場合は宛先も)
・対面参加を希望される場合は参加予定日時(17午後、18午前/午後、19午前/午後)
・講演を希望されるセッション(テーマセッション/一般公演/ワーキンググループ報告/その他)
・講演タイトル/講演者氏名/要旨(100字程度)
・自由記述(講演希望日や複数講演を希望される場合、ご要望・疑問点など)
を記入していただきます。ウェブ入力が困難な方には個別に対応いたしますので、実行委員会(nenkai@tenkyo.net)にご相談ください。

今回の年会では発表されるすべての方に事前の電子ファイル(発表用PPT/PDFファイル、ポスターファイル)の提出をお願いする予定です。発表されるご予定の皆様におかれましては、ご理解ご協力をお願いいたします。なお、発表は原則としてお一人様口頭発表一件まで、ポスターも別途一件までといたします。口頭発表を申し込まれても、時間的制約により、ポスター発表への変更をお願いすることがございます。口頭発表希望からポスターに回って頂く方は、ポスター2件までの発表が可能です。複数発表をご希望の方、WG等活動報告をされる方で2件以上の発表をご希望される方は実行委員会(nenkai@tenkyo.net)にご相談ください。

<参加費>
会員・一般:1,500円(要割引コード記入)
会員・学生: 0円(要割引コード記入)
非会員・一般:3,500円(割引コード無し)
非会員・学生:2,000円(割引コード無し)
高校生以下:0円(要割引コード記入:実行委員会 nenkai@tenkyo.netにお問い合わせください。 )

現地参加・オンライン参加で参加費の区別はありません。会員価格の適用は割引コードの記入によって行います。割引コードは会員メーリングリストにてお知らせしています。この機会に、日本天文教育普及研究会へ入会されますとありがたいです。入会されれば割引コードをお知らせいたします。入会についてはhttps://tenkyo.net/group/guidance/をご覧ください。

実行委員会:近畿支部を中心とした有志
委員長:野上大作
近畿支部代議員:中道晶香(支部長)玉澤春史 中串孝志 古屋昌美
年会担当理事:平松正顕
実行委員:青木成一郎 石井優子 尾久土正己 嘉数次人 河村聡人 小髙大輔
作花一志 佐藤祐介 澤田幸輝 嶋田理博 真貝寿明 反保雄介
富田晃彦 西村一洋 西村昌能 穂積正人 嶺重慎 和田浩一