第20回天文教育研究会 プログラム(予定)
※終了しました※
第1日:8月6日(日)
【特別講演】 <14:30〜15:30(60分)>
天文学最前線に関する講演 「ブラックホールはどう見える?」
嶺重 慎(京都大学基礎物理学研究所)
ブラックホールはどう見えると思いますか。いろいろな答ができると思います。想像図があります。難しい式を解いて出した答もあります。しかし、近い将来、ブラックホールが本当に「見える」かもしれません。そんなプロジェクトが既に走り出しているのです。講演では、素朴な疑問から始めて研究最前線の紹介まで、ブラックホールにまつわるいろいろなお話をします。【研究発表】(ショートスピーチ) <15:50〜17:10(80分)>
1 「『宇宙とは何か』から『天文学とは何か』へ」
佐藤明達
2 「スライド式七曜早見盤」
佐藤明達
3 「ソレガドーシタ・シンドローム」
佐藤明達
4 「地球自転証明実験のすすめ」
佐藤明達
5 「日本の天文史跡目録と教育への利用」
松尾 厚(山口県立山口博物館)
6 「“地域密着型”夜空の明るさ調査−茨城編」
高橋 淳(ミュージアムパーク茨城県自然博物館)
7 「夜空メーター 2005年の活動」
伊藤芳春(宮城県仙台第一高等学校)・千島拓朗(宮城教育大学大学院)
8 「宮教大インターネット天文台における金星ライブ映像の公開」
千島拓朗・成田晋吾(宮城教育大学大学院)・伊藤芳春
9 「日本の全理科教科書データベース化計画」
塚田 健(東京学芸大学大学院)
10 「大学の教養教育で見られた天文に関する"誤解"」
松村雅文(香川大学)
11 「参加グループへのアンケートから考えるAstro-HSのこれから」
篠原秀雄(埼玉県立蕨高等学校)
12 「天文教育カリキュラムの国際比較」
有本淳一(京都市立塔南高校)
13 「今後の天文教育を中心とした科学教育・普及の20年」
永井智哉(科学技術振興機構研究開発戦略センター)
#1〜4はあわせて15分,5〜13は1件につき7分.【研究発表】 < 17:20〜18:10(50分)>
1 「小惑星探査を体験する一般公開」
菊川真以(宇宙航空研究開発機構 総合技術研究本部)
2 「9年目の学校設定科目『宇宙の科学』」
大島 修(岡山県立鴨方高等学校)
3 「PC天文教材」
作花一志(京都情報大学院大学)
4 「ユニバーサルデザインWGの立ち上げについて」
嶺重 慎(京都大学基礎物理学研究所)
#1件につき,質疑込みで12分
第2日:8月7日(月)
【ポスターセッション】(以下のリストはポスターのみの発表) <9:00〜10:00(60分.)>
1 「デジタル一眼レフカメラを使った簡単な光害調査方法」
桝井俊彦(大阪府教育センター)
2 「科学コミュニケーションからみた天文教育普及活動」
佐藤祐介(北海道大学科学技術コミュニケーター養成ユニット)
3 「科学文化育成を目指して1
市民とのリサーチ・コミュニケーション『アストロノミー・パブ』の評価」
縣 秀彦(自然科学研究機構国立天文台)
4 「科学文化育成を目指して2
文理分け教育再考 −アンケート調査から見えてきたもの−」
縣 秀彦
5 「科学文化育成を目指して3
サイエンスショー『科学の鉄人』が目指すもの」
縣 秀彦
6 「教科書で見る天体の学習の30年の変遷」
大島 修(群馬県総合教育センター)
7 「金星の太陽面通過観測画像を用いた1天文単位を求める教材開発と実践」
松本直記(慶應義塾高等学校)
8 「大学院生による天文学講座『天塾』3年目の歩み」
内藤誠一郎(国立天文台ALMA推進室/東京大学大学院理学系研究科)
9 「『88星座ゲーム』のススメ」
小野夏子(板橋区立科学館)【テーマセッション】
○趣旨説明 <10:20〜10:30(10分)>
篠原秀雄(埼玉県立蕨高等学校)
今年の研究会は、第20回という大きな節目となる。そこで「天文教育普及活動の20年、そしてこれからの20年」をメインテーマとして、天文教育普及活動のこれまでの20年を振り返り、温故知新の精神で今後の20年を展望する。○メインテーマについての基調講演 <10:30〜11:50(80分)>
「天文教育における学会と教育界の連携について」
祖父江義明(日本天文学会理事長,東京大学名誉教授)
日本天文学会は天文学の進歩と普及を目的として活動しており、天文教育は学会活動において重要な地位を占めています。
大学研究機関においては、天文学教育と研究が密接につながり、研究者と院生学生の活動は、学会活動の根幹をなし、学会としても明確な教育体制が構築されています。
小中高校における天文、理科教育、社会教育への学会の取り組みについては、理事会、各種委員会などにおいて、それらを支援する仕組について検討をしています。すでに、年2回の学会中に、天文教育フォーラム(天文教育普及研究会と共催)、中・高校生を対象としたジュニアセッションの開催し、また科学館・社会教育施設への講師派遣などを実行しています。また各方面にむけて教育面の充実と改善を訴える要望を提出しています(添付資料)。しかし、小中高理科教育、社会教育に対する学会の取り組みは、すでに体制が確立している大学等における教育とは異なった仕組みが必要であり、将来さらに工夫発展させるべき余地が十分にあります。
講演では現状と将来のあり方について考え、また懇談し、教育界の皆様から、具体的な事業などにむけて示唆ご意見いただけることを期待しています。○学校教育セッション <13:10〜14:50(100分)>
セッションの趣旨:高校までの「学校教育」は、ほとんどすべての人が受けるものである。そこで、大多数の人が身につけるべき“天文リテラシー”とはどのようなものであるかという観点から、これまでの指導要領や教科書などの変遷を見て、現状の問題点を分析し、これからの学校教育がどうあるべきかを検討する。また、授業とは異なる学校教育の場としての部活動にも注目し、その問題点と今後のあり方を議論する。1 「学校教育の天文分野で学ばせるべきことと、そのためにあるべき教育体制」
水野孝雄(東京学芸大学) *30分
天文分野で学び、身につけさせるべきものは、現在得られている宇宙観と、それを理解する理科的な力である。そのための授業時数確保として土曜日の活用と総合学習の時間の削減が必要である。理科的な力の育成では小学校教育が特に重要で、大多数の文系教員への支援体制が必要である。例えば、生活科の見直し、理科専科教員の各校への配置等々である。2 「天文の授業 中学校の現場から」
渡辺洋一(大阪市立玉出中学校) *15分
現場の1教員の視点から、以下についてお話します。3 「Astro-HS 光と影」
1.学習指導要領・教科書における天文分野の扱い
2.私の取り組み
3.現場でやっていての疑問点・私見
鈴木文二(埼玉県立春日部女子高等学校) *15分
Astro-HS(高校生天体観測ネットワーク)は、しし座流星群(1998年)を契機に、本物の自然に触れる観測会としてスタートした。高校地学の低迷の一方で、天文をテーマにした多くのSSH(スーパー・サイエンス・ハイスクール)、SPP(サイエンス・パートナーシップ・プログラム)が実施されている。このような状況の中で、定常的な観測ネットワークへと変化してきた Astro-HSの活動を振り返る。
討論 *40分○社会教育セッション <15:10〜16:50(100分)>
セッションの趣旨:「学校教育」がすべての人々に対して等しく与えられるべきものであるのに対して、「社会教育」は人々が自発的に求めていくものである。そこには必然的に「教育」とは異なる目的や役割がある。「社会教育」がもっている目的や役割とは何かに焦点をあて、社会のブームや施設の予算に踊らされない「社会教育」のあり方を考える。1 「社会教育は生涯の学習テーマ、生涯学習は社会の教育テーマ」
黒田武彦(西はりま天文台) *30分
社会教育として天文学をいかに楽しく有意義に伝えるかは、私自身の生涯の学習のテーマである。まだまだ学習の途上であるが、私論を提示してみたい。また社会教育の要請として生涯学習が大きな位置を占めることになった。しかし掛け声は大きくとも真の意味での位置づけはまだまだ低い。社会全体が生涯学習を育くんでいくにはどうすれば良いのだろうか。2 「プラネタリウムの変遷 −日本のプラネタリウム、昨日、今日、明日−」
伊東昌市(杉並区立科学館) *15分
我が国のプラネタリウムは1960年代末から急速に建設が進み、規模としては世界一のプラネタリウム大国となった。天文教育の普及活動が盛んなように見えるが、実体は極めて足腰が弱いように思える。中には反科学教育番組と思えるものさえ製作され、全国で投影されている。今後の悲観的な未来像と楽観的な未来像を予想してみる。どのようにすれば希望に満ちたプラネタリウムの未来を描けるのだろうか。3 「科学ライブショー“ユニバース”その10年の歩みと今後の展望」
伊藤哲也(国立天文台) *15分
科学ライブショー「ユニバース」は東京竹橋の科学技術館で毎週土曜日に行われており、今年、10周年を迎えた。「ユニバース」では当初よりCGを用いて天文学の多様な世界を再現することと共に、台本が存在せず、案内役がゲストや観客と対話によって動的に変化する進行を特徴としている。ここで改めて10年間で進化してきた「ユニバース」を体感していただき、各地の科学館や教室でこの資源を活用していただきたい。
討論 *40分【ユニバース上演】 <19:00〜19:30(30分)>
第3日:8月8日(火)
【研究発表】(ショートスピーチ) <9:00〜9:50(50分)>
15 「天プラの挑戦 1.天プラはなにを目指すか」
高梨直紘(東京大学 大学院 理学系研究科 天文学専攻)
16 「天プラの挑戦 2.地域に密着した天文学普及モデルの模索」
高梨直紘
17 「天プラの挑戦 3.Astronomical Toilet Paper 作成とその反響」
平松正顕(東京大学大学院理学系研究科天文学専攻)
18 「天プラの挑戦 4.人材ネットワークを生かした「あすとろカルタ」の作成」
平松正顕
19 「天プラの挑戦 5.天プラ流・サイエンスカフェの試み」
塚田 健(東京学芸大学大学院)
20 「米子高専と米子市児童文化センターの連携(ジョイント講座の紹介)」
竹内彰継(米子工業高等専門学校)
21 「NPO法人こころプラネットの活動」
小野夏子 他(板橋区立科学館)
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