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2008年春
天文教育フォーラム

日本天文学会との共催)

テーマ : 「今,求められる天文学・天文教育とは」

 日本天文学会は、2005年7月14日付けで、中央教育審議会会長および初等中等教育分科会長宛に、「次代をになう子どもに豊かな科学的素養を」と題する要望書を出しました。その要望は、(1)現代の宇宙観を含む科学的素養が身につく教育課程にすること、(2)小中高校において、宇宙について持続的・系統的に学べることの2点でした。現在、次期学習指導要領の指導内容素案が文科省から中央教育審議会の専門部会に示され、今後教育課程部会などで議論される予定です。
 現在の指導要領では、天文関係の内容は小学校4年と中学校3年にしかありません。しかし、今回の指導内容素案によれば、小学校4年で「月と星」(月の動き;星の色,明るさ;星の動き)、小学校6年で「太陽と月」(太陽と月の形;月の表面の様子)、中学校2年で「地球と宇宙I」(日周運動と自転;年周運動と公転[中3から移行])、中学校3年で「地球と宇宙II」(月の動きと見え方;太陽系と惑星、恒星;銀河系と銀河)という内容に拡充されています。これはまさに天文学会が出した要望書にかなりの部分が沿ったものとなっています。基礎学力の低下問題の懸念に対し、現在の指導要領に比べ学習内容を大幅に増加する方針の中央教育審議会の流れに沿ったものとは言え、天文関係の内容に対してこのような原案が出されたことは、日本天文学会や天文教育普及研究会などの日頃の活動が実を結ぼうとしていることだと言えるのではないでしょうか。
 このように、天文分野が増えるのは我々にとって喜ばしいことだと思いますが、一方で、学校現場で最も指導しにくい理科の単元が天文分野であるという調査結果もあります。天文学の成果の社会還元という視点からみると、その最前線に立っているのは学校現場の教員の方であると言えます。今回は、このような状況の中、現代の日本社会から求められる、あるいは逆に社会にアピールすべき天文学・天文教育とは何か、また、学校現場で天文分野を教える教員の方々に対してどのような支援ができるのか、どのような支援が期待されているのかなどについて、幅広い立場から議論してみたいと思います。
 話題提供者としては、下記の4 名の方を予定しています。その後、この4名の方を中心として、パネルディスカッションを行い、会場の皆さんと認識を共にし、議論を深めたいと思います。

開催日時

2008年3月25日(火) 17:30〜19:00

会  場

国立オリンピック記念青少年総合センター センター棟4F(417)(東京都渋谷区)
 (日本天文学会2008年春季年会 F会場)

話題提供

(1)「今日までの学校教育における天文学習の流れ」
      縣 秀彦(国立天文台)

(2)「教育課程部会の審議の経過説明と今回の改訂のねらい 〜特に天文分野について〜
      田代直幸(文部科学省・初等中等教育局・教育課程課)

(3)「学校現場で期待される天文コミュニティーによる支援」
      加藤明良(さいたま市立上木崎小学校)

(4)「日本社会から求められる天文学・天文教育とは」
     高柳雄一(多摩六都科学館)

費 用

天文教育フォーラムのみの参加費は不要です.天文学会年会受付で,その旨お伝えください.

実行委員

沢 武文 (愛知教育大学),高橋 淳(茨城県立水海道第一高等学校)
縣 秀彦(国立天文台),松本直記(慶應義塾高等学校)



   

天文教育普及研究会 Japanese Society for Education and Popularization of Astronomy