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惑星系 WASP-12 b の解説

超短周期巨大ガス惑星

主星名
(カタログ名)
惑星名
(記号表記)
惑星の質量
(木星質量)
惑星の質量
(地球質量)
公転周期(日) 軌道長半径
(天文単位)
発見(年) 星座名 星座名の意味 可視性 V等級
WASP-12 WASP-12 b 1.4 446.2 1.09 0.02293 2008 Auriga
ぎょしゃ座
The Charioteer 11.7

WASP-12 b
 2008年にSuperWASP (Wide Angle Search for Planets)の惑星探査プロジェクトは、短周期ガス惑星、WASP-12bを発見しました。WASP-12はぎょしゃ座方向に位置する約1.35倍の太陽質量を持つ太陽型星で、WASP-12bは、質量は木星の約1.4倍、半径は木星の約1.74倍の半径を質量を持つホットジュピターです。

 極めて中心星近傍を周回するWASP-12b(公転周期 約1.1日)は、中心星からの強い潮汐力で、横方向に大きくひしゃげた形状をしていると考えられています。そして、横長に変形し、膨張したWASP-12bでは、大気の一部が中心星へ流れ込んでいるのではないかと予想されています。

 さらに、Hubble宇宙望遠鏡による紫外線観測から、強烈な中心星輻射に晒されたWASP-12bから(彗星の尾のように)流出する大気の様子が間接的に確認されています。

 WASP-12bは極めて炭素に富んだ大気 (C/O比 > 1 : 太陽は C/O = 0.54)を持つのではないかとも言われています。こうした炭素リッチな大気を持つホットジュピターの起源として、H2Oが凝縮するような低温領域(スノーライン以遠)で形成された後、何らかの理由(例えば、惑星同士の重力散乱や惑星の落下)で現在の位置まで移動した形成過程を反映しているのではないかと考えられています。

文責:堀 安範(University of California, Santa Cruz)

(想像図) 中心星からの潮汐力で大気流失を経験する WASP-12b (クレジット:NASA)


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