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惑星 MOA-2007-BLG-192-L b の解説

非常に軽い星をまわる冷たいスーパーアース

主星名
(カタログ名)
惑星名
(記号表記)
惑星の質量
(木星質量)
惑星の質量
(地球質量)
公転周期(日) 軌道長半径
(天文単位)
発見(年) 星座名 星座名の意味 可視性 V等級
MOA-2007-BLG-192-L MOA-2007-BLG-192-L b 0.01 3.2 0.66 2008 Sagittarius
いて座
The Archer

MOA-2007-BLG-192-L
 この惑星系は、名古屋大学(現在は加えて大阪大学)が主導する観測グループMOAによって、重力マイクロレンズ法を用いて2007年に発見されました(発見の報告は2008年)。惑星系はいて座の方向の約2,200光年先に存在しています。

 この惑星系の最大の特徴は、主星の質量が太陽の約1/12しかなく、惑星の質量も地球のたった約3.3倍と、主星と惑星共に並外れて軽いことです。両者の質量は共に発見当時最小で、主星のほうは今でも最軽量の座を守っています。また、惑星は地球の数倍程度の質量をもつ「スーパーアース」と呼ばれる部類に属します。

 さらに、この惑星は主星から約0.66天文単位離れたところを周っています。これは地球と太陽の距離に比べるとやや短い(主星に近い)距離ですが、主星は小さいだけでなく温度もかなり低いため、惑星が主星から受ける熱も極めて弱く、惑星は表面温度が摂氏マイナス220度以下の極寒の環境をもつと考えられています。このような「冷たいスーパーアース」は観測が難しいため発見数がまだ少なく、重力マイクロレンズ法ではこのほか地球の5.5倍の質量をもつOGLE-2005-BLG-390Lbが発見されていますが、同手法以外での発見例はまだありません。

文責:福井暁彦(国立天文台)

非常に軽い恒星をまわる冷たいスーパーアースMOA-2007-BLG-192L bの想像図。
恒星は温度が低く、赤い色をしている。(クレジット:NASA)


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