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惑星 HAT-P-7 b の解説

初の逆行惑星、すばる望遠鏡の観測で明らかに

主星名
(カタログ名)
惑星名
(記号表記)
惑星の質量
(木星質量)
惑星の質量
(地球質量)
公転周期(日) 軌道長半径
(天文単位)
発見(年) 星座名 星座名の意味 可視性 V等級
HAT-P-7 HAT-P-7 b 1.74 553.3 2.2 0.0379 2008 Cygnus
はくちょう
The Swan   10.5

HAT-P-7 b
 HAT-P-7 bは白鳥座の方向およそ1000光年先にあるHAT-P-7という恒星を公転する惑星です。この惑星は公転周期が約2.2日のホットジュピターで、地上からトランジット惑星を探すHATNet (Hungarian Automated Telescope Network)によって2008年に発見されました。

 2009年には、この惑星が主星の自転に対して逆向きに公転している「逆行惑星」であることが、すばる望遠鏡の観測によって明らかとなりました(注1)。さらにその後のすばる望遠鏡の観測によって、HAT-P-7bの外側にも別の巨大惑星が公転していて、さらに遠くには伴星として赤色矮星(温度の低い恒星)が公転していることがわかりました(注2)。このことから、HAT-P-7bは外側にある伴星と別の巨大惑星の影響を受けて逆行惑星になったと考えられています。このように、HAT-P-7bは逆行惑星がどのようにしてできたのかという疑問に対する答えの手がかりを与えてくれました。

 また、HAT-P-7は2009年に打ち上げられたNASAのケプラー宇宙望遠鏡の観測領域内にあり、惑星が主星の裏に隠れるセカンダリエクリプス(二次食)や公転による惑星の反射光の強度変化などを含めた、極めて精密な光度曲線が観測されています。

文責:成田憲保(国立天文台)

注1
http://www.subarutelescope.org/Pressrelease/2009/11/04/j_index.html
注2
http://www.subarutelescope.org/Pressrelease/2013/01/24/j_index.html

すばる望遠鏡が明らかにした逆行惑星系 HAT-P-7 の想像図。(クレジット:国立天文台)


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