戻る

惑星 Fomalhaut(フォーマルハウト) b の解説

1等星フォーマルハウトをまわる惑星

主星名
(カタログ名)
惑星名
(記号表記)
惑星の質量
(木星質量)
惑星の質量
(地球質量)
公転周期(日) 軌道長半径
(天文単位)
発見(年) 星座名 星座名の意味 可視性 V等級
Fomalhaut
(alpha Piscis Austrini)
Fomalhaut b 3 953.5 320000 115 2008 Piscis Australis
みなみのうお
The Southern Fish Visible to the naked eye 1.2

Fomalhaut(フォーマルハウト) b
 フォーマルハウトはみなみのうお座の中で一番明るい星(1.2等級)で,スペクトル型はA型です。また,この星は太陽系からの距離が約25光年と,比較的太陽系の近くに存在しています。

 アメリカ合衆国カルフォルニア大学バークレイ校のポール・カラス博士らによる研究チームはフォーマルハウトをハッブル宇宙望遠鏡の可視光カメラを用いて直接撮像法で観測しました。その結果,その中心星から約120 天文単位の距離離れたところに惑星 (フォーマルハウト b)が存在していることがわかりました(図1 )。フォーマルハウト bの質量は正確に測定されていませんが, カラス博士らの研究では,その上限は木星の約3倍であると推定されています。

 フォーマルハウトは残骸円盤と呼ばれる塵や微惑星から構成される円盤を伴っていることが知られています。また,その円盤はリング状の構造をしていることがわかっており,ハッブル宇宙望遠鏡による観測ではフォーマルハウト惑星系の美しい残骸円盤が惑星とともに撮像されています (図 1)。フォーマルハウトはその円盤と惑星の関係性の観点からも興味深い系外惑星系です。

本記事作成にあたって参考にした文献:
Kalas. P. et al., 2008, Science 322, 1345

文責:葛原昌幸(東京工業大学)

図1: ハッブル宇宙望遠鏡の可視光カメラによって撮られたフォーマルハウト惑星系の写真.惑星の像の拡大図を右下に表示.リング状に大きく見えるものが残骸円盤です。
(画像提供: NASA/ESA/P. Kalas (アメリカ合衆国カリフォルニア大学バークレイ校))


戻る





日本天文協議会 IAU太陽系外惑星系命名支援WG